手湿疹 (日本語)
手湿疹とは?
- 手湿疹は年齢を問わず誰でもなりうる病気ですが、比較的若い女性に多い傾向があります。原因には、以下が挙げられます。
- 体質的因子、即ち遺伝的な敏感肌
- 自宅または職場での過剰な水仕事、或いは洗剤・油・グリース・溶媒などを使った過剰な作業
- 特定物質に対するアレルギー性接触皮膚炎―例)セメント、ニッケル、ラノリンなど。またはそれらの組み合わせ。
- 食事が手湿疹の原因となることはほぼありません。シーフードが手湿疹を引き起こすという考えは誤りです。また、手湿疹は感染病ではないので、他人に伝染するということはありません。
医師による対応:
- 湿疹の症状を抑えるための湿布、薬用クリーム、軟膏、または錠剤が処方されます。
- 湿疹の原因である刺激物になるべく触れないようアドバイスを受けます。
- アレルギー性接触皮膚炎の場合、アレルギー皮膚試験(パッチテストおよびプリックテスト)を行い、何が原因となっているのかを特定します。
慢性化した手の接触湿疹(接触皮膚炎)
患者からの協力:
- 原因物質を特定するためにも、自宅および職場で接触している物質を医師に告げてください。これらには、化粧品、スキンケア製品、皮膚用医薬品も含みます。
自宅での作業について:
- 水仕事の際は、プラスチックまたはゴム製の手袋を装着してください。手袋の中を濡らさないように気を付けてください。手袋の長時間の使用は避けてください。
- 果物・野菜・生肉を扱う際は、直接手で触れないよう手袋を装着してください。
- 使用後のオムツなどの汚物は直接手で触れないようにしてください。床不器用モップも素手で絞ることは避けてください。
- 乾燥した土などを扱う際はコットン製の手袋を装着してください。
- 適度にハンドクリームを使用してください。
職場での作業について:
- 水・冷却液・油・グリース・溶媒に長時間接触するということを避けてください。安全性が認められる範囲でプラスチックまたはゴム製の手袋を装着してください。
- 液体を取り扱う際は、コットン製手袋は使用しないでください。コットンは刺激物を吸収するため、症状を悪化させる恐れがあります。
- ディーゼルや溶剤(シンナーなど)で手を洗わないで下さい。肌に優しく刺激性の弱い石鹸を使用してください。
- 仕事終わりにハンドクリームを塗ってください。
特定の物質に対しアレルギー反応が出る場合:
- 特定の物質に対しアレルギー反応が出る場合は、その物質に接触することを避けてください。アレルギーの原因となっている物質が特定できない場合は、医師に判断を促してください。
© 2009
クリストフスー (Christophe HSU) – 皮膚科医. ジュネーブ、スイス
全国皮膚センター (National Skin Centre). シンガポール
日本語訳:白 富美