ロドデノール (日本語)

  • ロドデノールは、別名4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノールとも呼ばれています。
  • 製造メーカーは株式会社カネボウ化粧品で、2008年より市場に登場していました。
  • メラニン色素の生成(シミや日焼けなど)を抑制する製品として認可を取得していました。
  • フェノール化合物のためメラノ細胞に対する毒性を潜在的に有しています。チロシナーゼ(メラニン合成に関わる酵素)の働きを制限することでメラニン色素の生成が抑制される仕組みになっています。
  • 同じくヒドロキノンもフェノール化合物のためメラノ細胞に対する毒性を潜在的に有しています。
  • 白 斑に似たまだら模様がロドデノール塗用部位に出現するとの被害が多数確認されたため、2013年7月に自主回収が始まりました。ベンゼン環上のパラ位にあ るフェノールおよびアルキル基のカテコール(例、イソブチルカテコール)がこのような症状を誘発させた原因です。アルキル鎖長が長ければ長いほど色素脱色 効果が促進されます。

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クリグマン軟膏(日本語)

  • 1975年、クリグマン医師(Dr. Kligman)とウィリス医師(Dr. Willis)が共同で作り上げたホワイトニング用塗り薬が、クリグマン軟膏です。この軟膏は、ハイドロキノン、トレチノイン、デキサメタゾンを調合した もので、使用から6~8週間で、シミを脱色する効果があると報告されました。
  • 副作用、特に「紙ふぶきのような不均一な脱色」といったも のは起きませんでした。また、皮膚萎縮や毛細血管拡張症といったデキサメタゾン特有の副作用も使用後6ヶ月経過した時点で起きなかったと報告されていま す。トレチノインを調合したことで、こういった副作用を防ぐことができたのだと考えられています。クリグマン医師らの研究では、クリグマン軟膏は肝斑など の色素過剰症に効果を示すことが分かっています。
  • ク リグマン軟膏は、クリグマン医師らの研究期間中には大きな副作用をもたらしませんでしたが、デキサメタゾンの長期間使用による何らかの副作用(皮膚萎縮や 毛細血管拡張症など)が危惧されるという懸念から、ほかの医師らによってデキサメタゾンを別のステロイドで代用するという処方も取られてきました。

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パタック軟膏(日本語)

  • パタック軟膏(またはローション)は、ハイドロキノンとトレチノインを組み合わせたものであり、ステロイドは含まれていません。クリグマン軟膏と比較すると脱色作用は劣りますが、それでもハイドロキノン単独で使用するよりも効果が高いことには変わりありません。
  • ステロイド特有の副作用が起こる危険性はありませんが、皮膚を脱色する効果が高く、肌が濃い人種の人にとっては、白い模様が残る可能性があります。
  • 肝 斑の治療薬としても効果が高いことが幾つかの研究で立証されています。パタック医師らの研究では、肝斑を発症している300人のヒスパニック系女性を対象 とした臨床実験で、ハイドロキノン2%とトレチノイン0.05~0.1%の組み合わせが副作用が最も少なく一番高い効果を示すことが明らかになりました。

知ってましたか? ハイドロキノンは、親水性の化学物質のため皮膚への浸透率があまり高くありません。親水性基剤(賦形剤)を使うことで脱色作用を高める効果があるとされています。表皮への浸透率を増進する作用があるのかもしれません。

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クリグマン軟膏-改良版(日本語)

  • デ キサメタゾンの代わりにヒドロコルチゾンまたはトリアムシノロンを使用したものが、改良版クリグマン軟膏です。改良版には、ハイドロキノン、トレチノイ ン、ヒドロコルチゾンまたはトリアムシノロンが含まれています。この調合は、デキサメタゾンを使用したものに比べ安全で、皮膚の脱色効果にも優れており、 長期間の使用も問題ないとされています。改良版の使用頻度は1日1回で、脱色の効果が表れるまで6~8週間を要します。
  • 一過性の発赤や皮がめくれるなどの副作用が、使用後1週間以内に現れる場合があります。

知っ てましたか?  ハイドロキノンを用いた製品による副作用は、ハイドロキノンの腐敗を防ぐために配合されているチオール(亜硫酸塩)が大きな原因なんです。チオール化合物 は、強い感作作用があるため、皮膚の炎症やアナフィラキシー反応、致命的なぜんそく発作といった症状が出現する場合があります。

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ハイドロキノンとアルファヒドロキシ酸(日本語)

  • カルボン酸基のα位にOH基がついたカルボン酸をアルファヒドロキシ酸(AHA)といいます。AHAは、自然由来のカルボン酸で、馴染み 深いものとして、グリコール酸(サトウキビに含まれる)、乳酸(ヨーグルトに含まれる)、クエン酸(レモンに含まれる)が挙げられます。低濃度のAHAを 皮膚に使用すると、肌に良い効果があることが研究によって実証されています。(レチノイドのように)表皮のターンオーバー速度を速め、にきびやしわを抑制 し、若干ですがホワイトニング効果もあることが分かっています。
  • ホワイトニングの効果はそれほど大きく現れませんが、AHAはハイドロキノンのホワイトニング効果を増進する働きがあることが立証されています。AHAの中でも、グリコール酸は分子量が最も低く、皮膚への浸透率もほかより優れていると考えられています。
  • ハ イドロキノンとグリコール酸の併用は、比較的高いホワイトニング効果をもたらしますが、一過性の発赤や軽度から中程度のピーリングの副作用があることを考 慮しなければなりません。ホワイトニングの効果としては、日光が全く当たらない部分の色と同様の白さを回復することができます。従って、どれほどのホワイ トニングが期待できるかに関しては、自分の皮膚の色で確認することができます。また、肝斑の治療薬としての効能もあり、肝斑の一次療法としての使用も可能 です。使用頻度としては、1日1回の使用を1~2ヶ月続けることで、脱色の効果が現れてきます。

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ハイドロキノン酸・コウジ酸・グリコール酸

  • コウジ酸は、天然素材の化合物で、日本では健康に良いという観念から、食品添加物として使用されてきました(現在では使用中止)。コウジ酸は、真菌によって生成され、その化学構造はアスコルビン酸によく似ています。
  • コ ウジ酸の局所治療薬としての使用は、ホワイトニング効果があるとの研究が報告されています。特に、肝斑に関しては、コウジ酸とグリコール酸の併用は、ハイ ドロキノンとグリコール酸の併用と同様の効果あると報告されていますが、副作用の皮膚炎症が更にひどく出る傾向があります。一方、ハイドロキノン製品にコ ウジ酸を追加するとハイドロキノンの肝斑抑制効果が高まることが分かっています。ハイドロキノン・コウジ酸・グリコール酸の併用は、色素過剰症の効果的な 治療薬として使用されています。
  • 一時的な皮膚炎症が使用後数週間以内に副作用として現れることがあります。脱色の効果が見られるのは、使用から4~6週間後です。

ハイドロキノンに関する議論:ハイドロキノン(HQ)は、皮膚のホワイトニング作用を持つ抗酸化分子です。長年に渡り、局所的色素脱失薬として使用されてきました。臨床実験では、濃度3%のハイドロキノンを6年間使用しても、皮膚癌との関連性は見られなかったという結果が出ています。

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モノベンゾン40% (日本語)

  • モノベンゾン40%は、通常のベノクインクリームより効能が高いことが知られています。
  • モノベンゾン40%は、医師の依頼により薬局で調合されるもので、一般に製造されている薬剤ではありません。
  • モノベンゾン40%は、ベノクイン(モノベンゾン20%)同様の副作用があるため重症の白斑患者以外への使用は禁止されています。

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モノベンゾン20%(ベノクイン)(日本語)

  • モ ノベンゾンは、ベノクイン(またはベンキン)という商品名として知られています。ベノクインは、非常に強力なホワイトニング製品で、永久的な脱色作用をも たらす危険性がある薬剤です。従って、通常な皮膚への用途、肝斑・そばかすなどの色素過剰症への用途は禁じられています。
  • ベ ノクインは、重症な白斑患者にのみ処方されています。白斑周辺の皮膚を脱色し、皮膚の色を均一にするために用いられています。通常の皮膚に使用すると、不 均一な脱色が起こり、まだら模様が生じる危険性があります。まだら模様は、永久的に消えることがありません。肝斑やそばかすに対しても同じような結果が生 じます。色素沈着部分だけでなく、通常の皮膚部分も脱色する可能性が危惧されます。
  • これらの副作用(誤った処方に よる)があるにも関わらず、白斑患者に関しては、比較的高い効果をもたらしています。白斑の場合、ベノクインは1日1~2回 通常の皮膚に適用されます。数週間(患者によっては数ヶ月)経つと、その部分が徐々に脱色し始めます。通常の皮膚を持つ人と違い、白斑患者にベノクインを 用いても、脱色が不均一になることはほぼありません。白斑患者のメラニン細胞が、通常より感受性が強いことが理由ではないかと考えられています。1日1回 の使用を2~4ヶ月続けると、ベノクインのホワイトニング効果が皮膚に現れてきます。患者によっては、この期間内に効果が出ないことがあります。その場 合、モノベンゾン40%の強いベノクインを処方されることがあります。
  • ベノクインは、マイケル・ジャクソンによっても使用されていた可能性が最も高いホワイトニング製品です。マイケル・ジャクソンは、白斑を発症していたとの報告がされており、皮膚を全て脱色するために何らかの色素脱失薬を使用していたと考えられます。

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アゼライン酸(AZA)(日本語)

  • アゼライン酸は、マラセチア菌(Malassezia furfur) と呼ばれる真菌(カビ)によって生成されるジカルボン酸です。マラセチア菌が原因で発症する皮膚感染症は、脱色作用が酷く症状も長引きます。症状が重い原 因は、アゼライン酸が、チロシナーゼ(メラニン細胞に含まれる重要なメラニン形成酵素)を阻害する働きを持つためと考えられています。
  • 濃 度20%のアゼライン酸は比較的肝斑によく効き、その効果は濃度4%のハイドロキノンに相当します。肝斑の治療に際しては、濃度2%のハイドロキノンより も濃度20%のアゼライン酸の方が効果があると実証されています。最近の臨床データでは、そばかすに対するアゼライン酸の効果も示されています。また、ア ゼライン酸とトレチノインの併用は、アゼライン酸を単独で使用するよりも脱色作用が強く、副作用も少ないことが分かっています。
  • アゼライン酸の副作用には、かぶれ、赤み、皮がむけるなどがありますが、安全な薬剤として知られています。1日1回(或いは医師の指示に従った頻度)の使用を続けることで肝斑またはそばかすを和らげる効果がありますが、効果が現れるまでには数週間を必要とします。
  • アゼライン酸は、にきびの治療薬としても使用されています。また、アゼライン酸とトレチノインの併用は、酒さの治療に大きな効果を示しています。アゼライン酸は、紫外線が元で発症した色素沈着に対しては効果がないため、(日焼け後の)美白目的での使用は意味がありません。

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4-ヒドロキシアニソールとトレチノイン (日本語)

  • トレチノイン0.01%を4-OHAと併用することで、4-OHAの皮膚脱色効果を最大限に引き出すことができることは、幾つかの論文で実証されています。
  • こ の2つの薬剤の併用は、皮膚を脱色させる効能に優れており、肝斑(老年性黒子)の治療薬としても使われています。肝斑は、脱色剤に対してあまり反応を示さ ず治療が困難ですが、この薬剤の併用が最も高い効果を出しています。4-OHAとトレチノインの併用は、白斑周辺の正常な皮膚も脱色する傾向があります。 そのため、白斑が多い患者の場合は、ベノクインの代用薬として使用することも可能です。
  • 4-OHAとトレチノインの併用薬が、美白目的のために正常な皮膚に使用できるか否かの研究は、詳しく行われていません。
  • そのため、不均一な脱色などの副作用が起こる可能性は否定できません。
  • 4-OHAとトレチノインの併用薬は、毎日1~2回病変部分のみに使用し、周辺の正常な皮膚への適用は避けてください。肝斑の色が薄くなるまでには、数週間を要します。また、再発を防ぐために、その後も使用を続ける必要があります。
  • Qスイッチルビーレーザーも、肝斑の治療法として用いられています。

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