性感染症(STD)
HIV感染(HIV陽性)とAIDS(エイズ)(日本語)
Monday, March 4th, 2013AIDS(エイズ)とは? エイズ(AIDS)は、後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome)の略称です。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染後、最終段階でエイズを発症します。 HIVの感染経路は? 感染者との無防備な性行為 注射器や注射針の共有(静脈注射薬常用者間での使用) 妊娠中の垂直感染または授乳時の母乳感染 汚染された血液の輸血 世界的に見て、80%以上の感染源は、性行為によるものです。工業国ではその割合が高まります。 一時期、特定のグループのみが感染するものと思われていました(薬物常用者や同性愛者)が、実際には無防備な性行為をすることで誰でもHIVに感染する危険性があります。 エイズの潜伏期間は? HIVに感染してからエイズの最初の兆候が出るまでの期間を潜伏期間と呼びます。 潜伏期間は、平均で8~10年です。 HIV感染とエイズの違いは? HIV感染(血清反応陽性)には、ヒト免疫不全ウイルス感染後の全ての段階が含まれます。 エイズは、HIV感染の最終段階です。健常者が免疫で対抗できる感染に対し、エイズ患者は、免疫抵抗力が落ちるために感染しやすくなります(日和見感染―結核、ニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫など)。 HIVに感染(血清反応陽性)はしているものの、エイズを発症していない時点(無症候性キャリア)での健康状態は極めて良好にみえます。 HIV感染(血清反応陽性)とエイズの兆候および症状は? 血清反応陽性が出ている患者のほとんどは、無症状です。 感染には、4段階があります: (A) HIV急性感染症(一次HIV感染) -HIV感染後すぐに起こる症状です。インフルエンザのような症状、リンパ腺の腫れ・発熱・無力感・皮膚の発疹が現れ、2~3週間続きます。 (B) 無症状期間 –兆候も症状もありません。 –数年続きます。 (C) 持続性全身性リンパ節腫脹 –首・脇・股の付け根のリンパ節が膨張するのが特徴的です。原因は不明で、兆候が3ヶ月以上続きます。 (D) エイズ、関連する疾患 -感染の最終段階で、免疫力が低下しているために健常者が発症しない感染症にかかりやすくなります。 -肺・目・消化器官・神経系・皮膚に影響が現れます。 -発熱・体重減少・下痢などの全身症状が頻繁に出現します。 -まれな癌(リンパ腫やカポジ肉腫)を発症することもあります。 日常的な接触で感染する可能性は? 性的行為がない限り、通常の軽い接触で感染することはありません。 以下の行為で感染することはありません: 感染者(血清陽性)とトイレや洗濯機を共有する。 感染者(血清陽性)と食事を共にする、または食器類を共有する。 感染者(血清陽性)と同じプールに入る。 感染者(血清陽性)と同棲する。 感染者(血清陽性)と同じ職場で働く。 感染者(血清陽性)と同じ学校に通う。 虫刺されによりウイルスが伝染することはありません。 ウイルスの検出(スクリーニング検査)は可能? HIVへの抗体は、感染後一定の期間をおいて出現します。 ほとんどの場合、感染後3ヶ月の期間を経て抗体が出現します。まれなケースでは、6ヵ月後に抗体が出現することがあります。 「陰性」は、その時点で抗体が検出されなかったことを意味します。 HIVの場合、抗体は感染を効果的に防ぐ働きを有していることを意味しません。 感染後間もない検査で陰性が出た場合、数ヵ月後に再度試験をする必要があります。 […]
おりもの(帯下)(日本語)
Saturday, August 4th, 2012おりものとは何か。 おりものは膣分泌物であり、下記の色味を帯びている。 透明 白みを帯びた色 黄色みを帯びた色 緑みを帯びた色 おりものは病気の一種か。 おりものは健康な女性にもみられる。 子宮頸部や膣壁の細胞から排出される分泌物である。 おりものの量や性状は、下記要因によって変化する。 年齢 月経周期 性行為 おりものの異常となる原因は何か。 量が増加する、黄色みが増す、緑みが増す、悪臭がするなどは、おりものの異常と考えられる。 感染症が原因の場合もある。 真菌感染症―例)性器カンジダ症(カンジダ・アルビカンス、Candida Albicans) 細菌感染症―例)淋菌(Neisseria Gonorrhoea)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia Trachomatis) 原虫感染症―例)膣トリコモナス(Trichomonas Vaginalis) ウイルス感染症―例)単純ヘルペスウイルス(Herpes Simples Virus)、性器疣贅(ヒトパピローマウイルス、Human Papillomavirus) 感染症以外が原因の場合もある。 頸管ポリープ 癌腫瘍 異物―例)タンポン 異常の原因を突き止める方法。 病歴、身体検査、検体検査をもって原因を特定する。 A) 性器カンジダ症とは何か。 酵母菌カンジダ・アルビカンス(Candida Albicans)の感染によって発症する。 カンジダは、もともと皮膚や膣内に存在している常在菌であるが、体調の変化(糖尿病、妊娠、ステロイド治療、経口避妊薬、抗生物質)で増殖し、性器カンジダ症を引き起こすことがある。 性器カンジダ症は性感染症ではないが、まれに性的パートナーを介して陰茎に発症することもある。 性器カンジダ症はどのように治療するのか。 主に膣座薬を挿入する(クロトリマゾール、ミコナゾール)。 重度のケース、再発を繰り返すケースでは、抗真菌薬(ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール)を経口投与する。 根本的な原因(糖尿病や抗生物質)を調整する。 B)淋病とは何か。 女性の場合は、緑または黄色みがかった分泌物が出る(淋病を参照)。 排尿障害(排尿時の痛みや灼熱感)が起こることもある。 C)クラミジア性子宮頸管炎とは何か。 クラミジア性子宮頸管炎は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)によって引き起こされる性感染症である。 クラミジア性子宮頸管炎の症状。 感染者と性交があった1~3週間後に膣分泌物が出てくることもある。 排尿障害(排尿時の痛み)が伴うこともある。 女性の場合は、ほとんど症状がない。 他の疾患、特に淋病やトリコモナス症が原因で生じる膣分泌物とは区別しなければならない。 慢性クラミジア感染症は、骨盤周囲(ファローピウス管や卵巣)にも影響を及ぼし下記症状を引き起こすことがある。 […]