HIV感染(HIV陽性)とAIDS(エイズ)(日本語)
AIDS(エイズ)とは? エイズ(AIDS)は、後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome)の略称です。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染後、最終段階でエイズを発症します。 HIVの感染経路は? 感染者との無防備な性行為 注射器や注射針の共有(静脈注射薬常用者間での使用) 妊娠中の垂直感染または授乳時の母乳感染 汚染された血液の輸血 世界的に見て、80%以上の感染源は、性行為によるものです。工業国ではその割合が高まります。 一時期、特定のグループのみが感染するものと思われていました(薬物常用者や同性愛者)が、実際には無防備な性行為をすることで誰でもHIVに感染する危険性があります。 エイズの潜伏期間は? HIVに感染してからエイズの最初の兆候が出るまでの期間を潜伏期間と呼びます。 潜伏期間は、平均で8~10年です。 HIV感染とエイズの違いは? HIV感染(血清反応陽性)には、ヒト免疫不全ウイルス感染後の全ての段階が含まれます。 エイズは、HIV感染の最終段階です。健常者が免疫で対抗できる感染に対し、エイズ患者は、免疫抵抗力が落ちるために感染しやすくなります(日和見感染―結核、ニューモシスチス肺炎、カポジ肉腫など)。 HIVに感染(血清反応陽性)はしているものの、エイズを発症していない時点(無症候性キャリア)での健康状態は極めて良好にみえます。 HIV感染(血清反応陽性)とエイズの兆候および症状は? 血清反応陽性が出ている患者のほとんどは、無症状です。 感染には、4段階があります: (A) HIV急性感染症(一次HIV感染) -HIV感染後すぐに起こる症状です。インフルエンザのような症状、リンパ腺の腫れ・発熱・無力感・皮膚の発疹が現れ、2~3週間続きます。 (B) 無症状期間 –兆候も症状もありません。 –数年続きます。 (C) 持続性全身性リンパ節腫脹 –首・脇・股の付け根のリンパ節が膨張するのが特徴的です。原因は不明で、兆候が3ヶ月以上続きます。 (D) エイズ、関連する疾患 -感染の最終段階で、免疫力が低下しているために健常者が発症しない感染症にかかりやすくなります。 -肺・目・消化器官・神経系・皮膚に影響が現れます。 -発熱・体重減少・下痢などの全身症状が頻繁に出現します。 -まれな癌(リンパ腫やカポジ肉腫)を発症することもあります。 日常的な接触で感染する可能性は? 性的行為がない限り、通常の軽い接触で感染することはありません。 以下の行為で感染することはありません: 感染者(血清陽性)とトイレや洗濯機を共有する。 感染者(血清陽性)と食事を共にする、または食器類を共有する。 感染者(血清陽性)と同じプールに入る。 感染者(血清陽性)と同棲する。 感染者(血清陽性)と同じ職場で働く。 感染者(血清陽性)と同じ学校に通う。 虫刺されによりウイルスが伝染することはありません。 ウイルスの検出(スクリーニング検査)は可能? HIVへの抗体は、感染後一定の期間をおいて出現します。 ほとんどの場合、感染後3ヶ月の期間を経て抗体が出現します。まれなケースでは、6ヵ月後に抗体が出現することがあります。 「陰性」は、その時点で抗体が検出されなかったことを意味します。 HIVの場合、抗体は感染を効果的に防ぐ働きを有していることを意味しません。 感染後間もない検査で陰性が出た場合、数ヵ月後に再度試験をする必要があります。…