経口ステロイド (日本語)

経口ステロイドを処方された患者さまへ。 ステロイドの用途は? ステロイドは、人の体内で作られるホルモンに似た作用があり、特定の疾患に対しての抵抗力を補うために使用されます。 アレルギー、皮膚病、喘息、関節炎などに伴う腫れ、赤み、痒みを和らげる働きがあります。ステロイドは、患者一人ひとりの状態に合わせて処方されているので、他の疾患や他の患者に使用してはなりません。 ステロイドの摂取方法は? ステロイドは錠剤で処方されます。医師の指示に従い服用してください。 胃の不快感を避けるために食後に服用してください。 長期的に毎日服用する場合は、いつも決まった時間に服用するよう習慣づけてください。 医師の指示がない限り、途中で服用を止めないで下さい。患者の状態によっては、徐々に容量を減らしてから使用を停止することもあります。 飲み忘れた場合は? 処方されている服用のタイミングによります。 a) 「一日おき」服用の場合 同 じ日の朝に飲み忘れに気付いた場合は、気付いたそのときに服用してください。その後は通常通りのタイミングで服用してください。飲み忘れに気付いたのが午 後以降だった場合は、次の日の朝に服用してください。その後一日飲まない日を設け、その後通常通りのタイミングで服用を開始して下さい。 b) 「毎日1回」服用の場合 飲 み忘れに気付いたそのときに服用してください。その後は通常通りのタイミングで服用してください。飲み忘れた分をいっぺんに2回分服用するということはし てはいけません。飲み忘れに気付いたのが次の日だった場合は、その日分の量のみ通常通りのタイミングで服用してください。 c) 「一日数回」服用の場合 飲み忘れに気付いたそのときに服用してください。飲み忘れに気付いたのが、次の服用時間に近かったら、次の服用時間に2回分服用してください。その後は通常通りのタイミングで服用してください。 ステロイドの副作用は? ステロイドの服用期間が短期間の場合、副作用が見られることはほとんどありません。もし、次のいずれかの副作用が長引いたり重症であったりする場合は、医師に相談してください。 視力低下、視界がぼやける 頻尿 喉の渇きが増す ステロイドの服用期間が長く、次のいずれかの症状が見られた場合は、医師に相談してください。 にきび 血便、黒色便、酷い腹痛 顔のむくみ、腫脹 足・脚のむくみ 治らない外傷 治らない咽頭痛、引かない発熱 皮膚線条   皮膚線条 経口ステロイドの注意点は? ステロイドを内服する前に、妊娠中、授乳中、子供をもうける可能性がある女性は、必ず医師にその旨を伝えてください。 現在服用中の薬がある場合は、そのことを医師に伝えてください。 アルコールやアスピリンが含まれている飲料または製品と一緒にステロイドを服用することは避けてください。腹痛を引き起こす危険性があります。 長期間服用していると、感染症に対する体内の抵抗力が一時的に抑制されることがあります。次の場合は医師に相談してください。 予防接種を受ける前 手術や皮膚試験を受ける前 感染症または外傷を負った際 医師が減塩食事療法を適用した場合、厳密にその食事療法に従ってください。体内に水が溜まりすぎるのを防ぐためです。 症状が悪化した場合、また、糖尿病で血糖値に変化が見られた場合は、医師に報告してください。 服用期間中は、あざができやすくなります。外傷を負わないよう日常的に気をつけてください。 服用期間中は、定期的に検診を受けてください。患者の状態と経過を診ることで服用量を調整する場合もあります。 ステロイドの保管方法は? 熱や直射日光を避け、涼しく乾燥した場所、子供の手が届かない場所に保管してください。 ステロイド薬は、他の薬剤と同じ容器やピルケースに保管しないでください。薬剤はそれぞれ別々の容器・ピルケースに名前を付けて保管してください。 質問がある場合は、医師または薬剤師に相談してください。…

化粧品による皮膚疾患 (日本語)

刺激性接触皮膚炎 化粧品による皮膚疾患で最も多いのが刺激性接触皮膚炎です。 良く見られる症状は、顔の痒みと発疹、吹き出物です。 A. 刺激性接触皮膚炎を引き起こす化粧品には以下のものがあります。 洗顔剤:洗顔剤の多くは、皮膚を洗浄する効果がある界面活性剤が含まれています。 化粧水・収れん化粧水・トーナー・ローション:アルコールやアルファヒドロキシ酸(AHA)などの酸が含まれていることがあります。患者によっては、これらの使用によって皮膚に異常が出ることもあります。 美顔療法:美顔療法には、手を使った療法や、皮膚に化学物質(ピーリング)を塗布するなど様々なものがありますが、多くの場合、皮膚上層部を剥がしてしまう傾向があります。軽度の炎症は避けられませんが、重症度が高い皮膚炎を引き起こすこともあります。 化粧品の過度な使用、不適切な使用は、皮膚かぶれや炎症を起こすことがあります。特に、敏感肌の人や既に皮膚病を有している人には、その傾向が強く見られます。 B. 化粧品による皮膚疾患の兆候や初期症状は? 化粧品を皮膚に適用した際に、灼熱感やチクチク感(しみる感じ)を経験することがあります。 重症のケースでは、痒み、赤み、膨れの症状が起こり、その後皮膚が剥がれたりします。 C.皮膚疾患が化粧品によるものだと感じたら? 直ちにその化粧品の使用を止めてください。医師に相談してください。医師の資格を有していないエステシャンなどへの相談は控えてください。無視激性の洗顔剤、低濃度の副腎皮質ステロイドクリームや軟膏が医師により処方されます。 発疹が治癒したら、パッチテストを行い化粧品に対するアレルギーを確認することがあります(以下参照)。 適切な化粧品の使用を医師が教えてくれます。 アレルギー性接触皮膚炎 化 粧品によって引き起こされる皮膚疾患の中に、アレルギー性接触皮膚炎があります。刺激性接触皮膚炎より罹患率は減りますが、発疹の症状だけで刺激性接触皮 膚炎とアレルギー性接触皮膚炎を区別するのは困難です。アレルギー性接触皮膚炎を誘発するものには、香水・防腐剤・日焼け止めが含まれます。 A. アレルギー性接触皮膚炎の兆候および初期症状は? 化粧品の使用直後は、違和感を感じないかもしれません。 使用を続けるうちに、アレルギー反応が出てくる場合があります。 症状には、痒み、赤み、腫れ、水疱が含まれます。 二次的に患部以外の部位にも症状が現われることがあります。別の化粧品でも、同じ成分を有しているものであれば、同じ反応が起こります。 B. アレルギー性接触皮膚炎かも知れないと思ったら? 医師に相談してください。 直ちに化粧品の使用を止めてください。患部および患部以外のどの部位にも塗布してはなりません。 皮膚炎を和らげるために局所治療薬が処方されます。重症の場合は、経口ステロイド約が処方されます。痒みが酷い場合は、経口抗ヒスタミン剤が処方されます。 症状が引いた後に、パッチテストを行いアレルギーの原因を確かめます。 D. 化粧品へのアレルギーを確かめる試験とは? パッチテストを行うことによって、どの成分に対してアレルギーを持っているのか確認することができます。 パッチテストでは、小さなテープを背中の皮膚に48時間貼ります。 72時間後または1週間後に、アレルギーの反応を観察、確認します。 パッチテストでは、医師側が用意している成分だけでなく患者が使用している化粧品も使用します。 テストの後は、どの成分を今後避けたら良いのか、医師より指導を受けます。 化粧品によるにきび(座瘡) A. 化粧品はにきびの原因になるの? 思春期にきび発症の有無に関わらず、化粧品はにきびを発症する原因になりえます。 皮膚に長時間ファンデーションや保湿クリームを塗っていると、面皰(黒コメドや白コメド)が発生し炎症が起こる場合があります。 化粧品によるにきびは、通常のにきびと変わらない治療法(症状の度合いに適したクリームやゲル、経口薬が処方されることもあり)が施されます 治療中は、皮膚が快復するまで化粧品の使用は控えたほうが賢明です。しかし、顔の傷(見た目)が気になる場合は、オイルフリーの化粧品または油分が少なめの化粧品で我慢してください。 その他の化粧品アレルギー A. 毛染めアレルギー: 毛染め(ヘアカラー)アレルギーは、化粧品皮膚炎の中でも性別を問わずよく見られるアレルギーです。 毛染め(カラーリング)をした当初は、何の異常も現われなかったにも関わらず、毛染めを続けているうちに、突然アレルギー反応が出るようになったというケースがよくあります。顔、耳、首にも症状が現われます。 アレルギーの原因として、パラフェニレンジアミン(PPD)が挙げられます。PPDは、多くの染毛剤(カラーリング剤)に含まれている成分です。PPDに対してアレルギー反応を示す患者は、合成化学物質が含まれる全ての染毛剤(化学染料)の使用を控えなければなりません。ヘナ(植物)によるカラーリングや金属染毛剤を代用品として使用することもできます。 B. 日焼け止めアレルギー:…